株式会社セイバンと京都芸術大学は、共同開発した盲導犬ハーネスを関西盲導犬協会へ寄付した。
歩行時にハンドルを握りやすいか、盲導犬の動きを把握しやすいかなどにこだわる
盲導犬の装備のデザインは、日本への導入当初から実用レベルでプロダクトデザインがかかわった痕跡がなかった。
京都芸術大学プロダクトデザイン学科准教授 大江孝明はそのことを起因とする問題の存在に着目した。2016年からは関西盲導犬協会と連携して大学の授業でも取り扱うようになった。
授業を通して複数パターンを提案した後、その製品化に向け共同研究先を探し、セイバンに声をかけたという。
開発のポイントとして、具体的には、歩行時にハンドルを握りやすいか、盲導犬の動きを把握しやすいか、盲導犬のからだに負担がない形状か、ハーネスが与える印象が器具的でないか、長く使用できる耐久性があるかといった点にこだわった。
これらの点については、関西盲導犬協会職員が実際に訓練をする中で繰り返しモニタリングを行った。
また、盲導犬と生活をする中では、イスの下やテーブルの下に入るシーンがあるが、その際にハーネスのハンドルが邪魔で身動きできないという事態が起こらないかといった点にも考慮したデザインになっている。 (慶尾六郎)