近畿大学と敷島製パン株式会社は、パン製造工程において発生する食品加工残渣 (パンの耳やパンくず など)を原料として、近畿大が開発したカーボンニュートラルな次世代バイオ固形燃料「バイオコークス」を製造する実証実験を開始した。
将来的には、食品加工残渣等で製造したバイオコークスを自社工場等で使用する、資源循環モデルの構築を目指す方針だ。
食品加工残渣からバイオコークスを効率的に製造する方法を研究
敷島製パンでは、パン類の製造過程で発生する年間約30,000トンの食品加工残渣において、現在はそのほとんど を飼料、肥料、燃料 等にリサイクル処理している。
持続可能な消費と生産が求められる今、食品加工残渣の新たな活用法を検討する中で、近畿大学が開発した次世代バイオ固形燃料「バイオコークス」に着目した。
今後、約1年間にわたって実証実験を行い、近畿大学においてパンの耳などの食品加工残渣からバイオコークスを効率的に製造する方法を研究する。
そして、製造したバイオコークスを敷島製パンの自社工場等で燃料として使用するという資源循環モデルの構築が可能であるかどうか、ボイラー利用や鉄鋼メーカーの溶解炉への適用性、二酸化炭素削減可能量などを検証する。
食品加工残渣削減とCO2排出削減の両方の達成をめざし、産学連携でこれらの実証実験に取り組み、熱源としてのバイオコークスの利用価値を計る。
(慶尾六郎)