遠赤外線技術を応用 産学官連携で商品化
石巻地域産学官グループ交流会(高橋悌太郎座長、加盟78社・団体)が開発した「ナノカーボンセメント発熱体」が、家電製品の足元暖房器として昨年12月に商品化され、好調な売れ行きを見せている。遠赤外線技術を応用したもので、産学官の連携による研究が花開いた形だ。
発熱体は、強度の高いセメントと、遠赤外線を発生するカーボンとを混合させて作った。交流会と
石巻専修大は2002年、セメントとカーボンを10億分の1メートルサイズで均等に混ぜ合わせることで、素材全体から均一に赤外線を出すことに成功していた。04年に特許も取得している。
やけどの心配なく、省エネ効果で販売促進目指す
足元暖房器は、高橋座長が経営する
高橋屋根工業(石巻市)が商品化した。横35センチ、縦30センチ、厚さ3・5センチの板状で、表には登米市津山産のスギ材をあしらっている。50度以上にならないので、やけどの心配もない。消費電力は最大40ワット、電気代は1時間当たり0・4円と安価だ。昨年末に発売して350台が売れ、当面1500台の販売を目指す。
高橋座長は「地元で開発した技術なので、出来る限り地元業者と連携して事業を進めたい」と話す。1台、1万5000円(消費税別)。問い合わせは、同社(0225・62・2173)へ。