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電気で走るエコバス開発の行方

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電気バスが各地で試走
いま、環境に優しい電気バスの開発が盛んで、全国で試験走行を始めている。排ガスを出さないし燃費も低いから、これからの主流になる可能性は十分だ。

兵庫県や関西企業などで作る新産業創造研究機構(NIRO)が、10日に大阪市で大型電気バスの走行実験を公開した。
北陸電力なども、14日に富山市で路線バスの一部区間を使って全国初の小型バスの試験走行を始める予定だ。
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電気バスの効果は
政府が掲げる温室効果ガスの削減目標を実現するには、運輸部門のCO2削減が欠かせないから、公共交通での電気バスの普及は重要な意味合いを持つ。

公開された大阪市の大型電気バスに試乗した感想では、ディーゼルエンジンを載せた通常のバスの低く太い音ではなく、「ウィーン」というモーター音とともに滑らかに加速し、振動も少なかったという。充電は左後部のカバーを開け、コードをつないで行い、20分の充電で30キロ走行できるとのことだ。

このバスは、NIROなどが政府のモデル事業の指定を受けて開発したもので、2月1日~26日の間大阪市南部で走行し、発電を含め従来のバスより77%少ないと見込まれるCO2排出量を実際に調べるという。

対象車両と蓄電方式は
大型電気バスの実験は珍しく、10年度以降も大阪市交通局などが試験を続け、12年度に民間への払い下げを検討しているとのことだが、UDトラックスの路線バスに川崎重工業のニッケル水素電池「ギガセル」を9セット(2.2トン)積んでおり、車両価格は通常の約4倍の約1億円に上ったという。

一方、北陸電力のバスは日野自動車製を改造した29人乗りで、路線バスに使われる大型バスより小さい。リチウムイオン電池を載せており、富山地方鉄道が運行するコミュニティー路線バスに試験的に導入する。

その他の計画予定は
このほか、早稲田大学は昭和飛行機工業などと3月末に5台目となる小型の電気バスを作り、10年秋をめどに埼玉県本庄市でスクールバスとして試験走行させるという。

また慶応大学は、いすゞ自動車などと、8個の車輪に直接モーターを組み込んだ新しい電気バスを開発中で、秋までに完成させ年末から走行実験を行う計画。

大阪や富山の電気バスの開発を手掛けた東京アールアンドデーは、「中国など海外からの問い合わせも増えている」とし、内外の関心の高さがうかがえる。

高価格(1台約1億円)がネック
しかし、電気バスは、電池代だけで路線バス1台の価格に匹敵する2000万円以上もかかり、設計費用も高額となる。
小型バスの開発に1億円かかった早大の紙屋雄史教授は「3~5年後には3000万円台にしたい」と言う。

関係者は「2010年は電気バス元年になる」と期待を込めるが、1台1億円程度という価格引き下げが課題であり、国内での早期普及には国の補助制度が必要との指摘が多い。


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