日本有数の規模を誇り、その音色も高い評価を受けているパイプオルガンをもつ国立音楽大学は、電子ピアノやシンセサイザーなどの電子楽器でおなじみの株式会社コルグとパイプオルガンのサウンド・ライブラリーを共同開発し、音源を製品化した「EXs20 Grand Concert Organ」を全世界で発売した。
音源は国立音楽大学のシンボルであるパイプオルガンを使用
国立音楽大学とコルグの関係は、2009年よりインターンシップとして国立音楽大学の学生を受け入れたのを機に始まった。
インターンシップ時には、ソフトウェア音源のサンプリングと編集を行い、その成果はコルグの開発・販売戦略に沿って、その都度部分的に製品に搭載されてきた。
今回のサウンド・ライブラリーは、独立したパッケージとして製品化され、その音源は国立音楽大学のシンボルであるパイプオルガンを全面的に使用している。
開発には国立音楽大学の講師(当時)で日本を代表するオルガニストである青田絹江氏がオルガン演奏および音色制作など楽器に関する専門的知見の提供を、同講師の小林悟氏が録音を、同准教授の今井慎太郎氏が監修を務めた。
また、「コンピュータ音楽実習D」の授業を履修している学生も録音助手(マイクセッティング補助、録音ソフトオペレーション、キューシート記入など)や波形編集などに携わり、コルグと研究を重ねて、発売にいたった。 (慶尾六郎)