Beyond Next Ventures株式会社は、同社が運営するファンドを通じて、株式会社Photo electron Soulに対して、大和企業投資株式会社が運営するファンド、ならびに国立研究開発法人科学技術振興機構と共同で、追加出資を行った。
今回の同社の資金調達は、2016年、2017年の同社をリードインベスターとした資金調達に続く、総額2.6億円の資金調達となる。この度の出資を受け、Photo electron Soulは同社電子ビームを搭載した、次世代半導体検査装置を実用化する体制を強化する。
「半導体フォトカソード」型電子ビームを実用化
Photo electron Soulは、「半導体フォトカソード」型電子ビームの実用化を世界で初めて実現する名古屋大学発ベンチャー。
電子ビームは、ナノレベルでの加工・検査などに広く使われる基盤技術となっている。近年では、微細化・多層化が急速に進む半導体製造分野での重要性がますます高まっている。
特に半導体検査での活躍が期待されているが、そのためには劇的なスループット向上が必要。しかしながら、従来の電子ビームは、過去45年以上も変わらぬ発生原理が使われており、特に電流密度の不足が課題となり、その実現が進んでいなかった。
同社が開発する「半導体フォトカソード」型電子ビームは、名古屋大学の半導体基礎技術に同社電子ビームを組み合わせることで、従来技術では実現困難なレベルでの大きな電流密度、さらには高い制御性を持った電子ビームを生成することができる。
これを半導体検査に適用することで、飛躍的なスループット向上を実現。(慶尾六郎)