BtoB向けのシステム開発とシステムコンサルティング事業を展開するアヴァント株式会社と電気通信大学大学院情報理工学研究科/人工知能先端研究センターの高橋裕樹研究室は、産学協働で画像処理や画像解析などを基本とするAI技術の開発に取り組んでいる。
今回“感性語”に基づいて、より人間に近い感覚で不動産物件を検索する画像処理技術を開発、「物件情報検索システム、物件情報検索方法、および物件情報検索プログラム」を発明名称とする基本特許(特願2020-000337)を出願した。
より人間に近い感覚で物件を検索し希望する候補物件を表示
アヴァントは設立以来、大手不動産仲介業社のシステム開発およびコンサルティングに携わっており、特に、物件検索に重要な画像の処理や画像を活用した物件検索システムにおいて、高い評価を得ている。
一方、電通大の高橋裕樹研究室では、画像を対象とした画像認識、画像解析、画像生成、画像検索などコンピュータによる新たな画像処理技術の研究に取り組んでいる。
今回、アヴァントが有する物件検索システムのノウハウと電通大高橋裕樹研究室の画像処理技術を融合させた。
さらに物件に対する“感性語“の概念を取り入れることで、より人間に近い感覚で不動産物件を検索し、希望する候補物件を表示する物件探索システムを開発した。
ユーザーがイメージする雰囲気に近い感性語から物件検索
「物件情報検索システム、物件情報検索方法、および、物件情報検索プログラム」の概要は以下の通り。
1.物件画像から「画像特徴ベクトル」を生成する。
2.物件画像から受ける印象を示す“感性語”から「感性ベクトル」を生成する。
3.画像特徴ベクトル」と「感性ベクトル」の対応関係を示す対応関係情報を生成する。
4.物件画像データベースには、1と同じ方法で物件画像から画像特徴ベクトルを生成し、両者を関連付けた物件が、複数登録されている。
5.物件検索ではユーザーが希望する物件の“感性語”を入力した後、「感性ベクトル」を生成し、「感性ベクトル」と相関関係が高い「画像特徴ベクトル」を持つ候補物件画像を物件画像データベースから抽出して表示する。
今回開発した物件検索システムでは、ユーザーがイメージする部屋の雰囲気に近い感性語から不動産物件検索が行える。
今後は、従来の論理的な個別の条件だけでなく、ユーザーの理想としている生活空間のイメージに寄り添った物件探しを実現するための一役を担える検索システムとして、不動産関係会社へ提供して行く予定。 (慶尾六郎)