東大発ベンチャーGenomedia株式会社は、臨床情報と臨床シークエンス情報、その他解析情報の統合管理をクラウド上でセキュアに実現する臨床ゲノム統合データ管理サービスを、国立研究開発法人 国立がん研究センターが6月より開始した「SCRUM-Japan」第三期に提供開始した。
がん組織を採取せずに血液で簡便にがんの遺伝子解析を行うことが可能
Genomediaはこれまで、国立がん研究センターが実施する、固形がんを対象とした産学連携がんゲノムスクリーニングプロジェクトである「SCRUM-Japan」第一期、第二期に2015年以来Genomedia® Frontを提供した。
そして、1万例を超えるがん患者の臨床・ゲノムデータ共有システムを構築し、66のアカデミア施設、17の製薬企業との間での臨床ゲノム情報の共有に貢献してきた。
「SCRUM-Japan」第三期では、がん組織を採取せずに血液で簡便にがんの遺伝子解析を行うことが可能であり、経時的に複数回遺伝子解析を実施することができる「リキッドバイオプシー」研究が進められている。
今後、MRD(微少残留腫瘍)モニタリング、再発リスクの高い症例の同定、早期治療応答の評価、リアルタイムでの耐性の進化の評価などへの展開が期待されている。
そのため、今回Genomediaが「SCRUM-Japan」第三期に提供開始するGenomedia® Front Cloud Serviceでは、これまでのGenomedia® Frontの機能をクラウド上のサービスとして実現するとともに、血液を用いた遺伝子解析(リキッドバイオプシー)に対応した時系列解析機能が追加されている。(慶尾六郎)