横浜国立大学、神奈川県立病院機構、東芝エネルギーシステムズ株式会社は、がん治療における照射位置の確認や照射量を測定する共同研究の結果、複数方向からの重粒子線の照射量の三次元分布測定を約10分で実現できる手法を開発した。
3年間機器や制御の観点から研究を支援
今回、これらの成果を踏まえ、重粒子線がん治療装置の高度化に向けた産官学連携の研究を推進する契約を4月1日より更新した。
これにより、横浜国立大学研究推進機構内に「東芝エネルギーシステムズ・神奈川県立病院機構 重粒子線がん治療装置共同研究講座」を設立、さらなる研究を開始した。
今回の共同研究講座では、線量の三次元分布測定技術について、体内の状態を踏まえて位置や照射量を治療で求められる精度にまで向上させる。
また、人工知能により画像を鮮明にしたり画像中の物体の変位を求めたりする技術、人間工学をもとにした機械学習を用いて人体の動きをトレーニングする運動学習支援技術などの研究も進める。
さらには、がん標的に対し、より正確に放射線照射するとともに、健常臓器への放射線被ばくをより低減できる手法の開発を目指す方針。 (慶尾六郎)