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富士通株式会社と横浜国立大学は、スーパーコンピュータ「富岳」上で、富士通の大規模並列処理技術と、横浜国立大学 台風科学技術研究センターが開発した気象シミュレーターを組み合わせることで、これまで困難だった「台風に伴い発生する竜巻の予測を可能にする気象シミュレーション」に、世界で初めて成功した。
横浜国立大開発の気象シミュレーターを、「富岳」上で最適化
数百kmにおよぶ台風と最大でも直径数百mの竜巻では、1,000倍以上も空間的スケールが異なる。従来の気象シミュレーションは、竜巻発生の予測に必要な解像度で、局所的な強風予測ができるモデル設計になっていない。
加えて、台風全体やその進路を含む広範囲な領域を、100m以下の高い解像度でシミュレーションする必要があるため、計算量が膨大となり、予測には使えなかった。
上記課題を解決するため、両者は、大規模な高精度シミュレーションが可能で、竜巻を発生させる雲の形成や発達を正確に計算できる気象シミュレーター、Cloud Resolving Storm Simulator(CReSS)を、「富岳」上で大規模並列処理向けに最適化することで、計算時間を大幅に短縮した。
両者は、今回の取り組みで開発した大規模並列処理向けに最適化した、CReSSを、今年度中に研究コミュニティ向けに公開する予定。
(坂土直隆)