中小企業支援を目的に産学連携
大阪府立大と
府立産業技術総合研究所は26日、産業振興への貢献を目的とした包括連携協定を締結した。工学系のナノテクノロジー技術で評価のある同大と同研究所の企業支援ノウハウを活用することで、中小企業支援を効果的に進める。
同大は2011年度から理系に特化した学科再編の方針を示しており、人材育成の観点からも存在感を発揮する機会にする考えだ。
府立大は05年度に旧府立大、大阪女子大、府立看護大が統合して発足。大学運営には年間約100億円の府費が投入されているが、橋下徹知事は「府民の理解を得られる改革」を大学側に求め、奥野武俊学長は現行の7学部から理系中心の4学域に再編する方針を打ち出している。
大学から企業へ革新技術を提供
協定締結は、同大元学長である同研究所の南勉所長の強い働き掛けで実現。これまで同大と同研究所の人的交流はあったが、今後は組織として連携強化を図る。
同大で行われた調印式後、奥野学長は中小企業支援について「中小企業から一番相談の多い金型や切削などについては何年も前から大学でもいろいろやっており、提供できる技術を持っている」と企業の技術革新に協力できる体制を強調。「府立大の技術がうまく生かされることを期待している」と産学連携を進める。
同研究所の南所長は「大学の基礎的な学力などを共有することで、中小企業支援の質を上げ、相談に十分対応できるようにしたい」と話した。