照明用有機ELパネルの生産開始
照明用有機ELパネルの生産会社ルミオテック(米沢市)が19日、2月からサンプルパネルの出荷を始めるとともに、2013年までの量産化に向け本格的に準備を進めていくことを明らかにした。
有機ELパネルとは
有機ELパネルは、面発光で極薄・軽量であることや、紫外線を含まず均一でムラのない柔らかい光を実現できること、さらには、水銀など有害物を含まず、省エネ化によるCO2削減効果が見込めるなど、白熱球・蛍光管などの従来型光源やLEDにはない優れた特長を持ち、次世代の照明用光源として期待されているものだ。
価格は8万円(税別)で、14.5センチ四方で厚さ約4ミリのパネル1枚と、明るさのコントローラー、ACアダプターのセットで構成される。
当面は照明装置のデザイナーや設計者向けの出荷が主となり、現段階で明確な性能保証はしていないが明るさなどは蛍光灯と同等レベルといい、顧客からの早期供給の要望に応えた形だ。
将来計画と米沢市の対応
照明用有機ELパネルが実用化レベルで出荷されるのは、これが初めてで、ルミオテックは2月15日からホームページでパネルの注文を受けるが、その反応を見極めつつ、7月から年間4万枚規模の生産に踏み切る計画とのことだ。
なおルミオテックは、三菱重工業、ローム、凸版印刷などが出資して2008年5月に発足した世界初の照明用有機EL専業会社。これまでトレードオフの関係にあるとされてきた、高輝度化と長寿命化を両立させる素子構造の開発などを受けて、有機ELパネルの製造準備を進め、現在、米沢市にある生産工場にパイロット量産ラインを構築している。
本格的な量産化時の売上規模は250億円と想定されているが、量産化の拠点が米沢市に置かれるかは未定という。
これに対し、生産拠点の県内誘致に力を入れている県は、ルミオテックから提供されるパネルなどを核にした関連産業の集積を図っていく考えで、県内企業などを公募して助成するとともに、産学官の連携を深め、拠点誘致の強みにしたいとしている。
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