人材ニーズは技術・運用とオフショア開発に
情報処理推進機構(IPA)は、IT関連産業の人材動向・オフショア活用状況、産学におけるIT教育等の状況を把握することを目的とした調査を実施、IPAのWebサイトに公開した。
また「IT人材白書2010」を5月に発行するという。
調査結果では、IT人材のニーズが大きく変化していて、職種は開発に携わる人材から技術や運用に携わるIT人材などへ変化が見られ、更にその開発系にはオフショア開発などグローバルなIT人材の活用が着実に進んでいるとのこと。
産学連携による高度IT人材の育成には、実践的な教育が必要との認識が高まっている。企業、および産学連携の教育を受けた情報系分野の卒業生は共に、教育課程においてチームでソフトウェア開発を行うことが重要と指摘している。
IT人材の意識と環境は?
またIT人材は、職場に対して高い満足を感じている一方で、「勤務先の将来」や「自身のスキルが将来も通用するか判らない」など、将来への強い不安も感じていて、勤務先の企業の方向性や将来ビジョンが明確でないと答えた個人ほど「勤務先の発展、成長に対する不安」を抱えている傾向があるという。
キャリア形成については、約半数の企業が個人にキャリアプランを明示していず、キャリアアップの責任は、個人は企業に、企業は個人にあるとし、意見の相違が生じているという。
そして個人の企業依存は、企業規模が大きくなるほど顕著な傾向となっているとのことだ。
今後の環境変化へ適応するには専門性の追求が必要
IT企業は今後、国内外の競争激化やSaaS、クラウド等新技術が大きな産業変化をもたらすと考えており、これらの環境変化に適応するため、将来の発展を支える専門性をさらに高めることが、IT企業や技術者の飛躍の道と位置づける。
そして、IT人材が活き活きと働くためには、企業が将来像やビジョンを明確にする必要がある一方、技術者個人は、たとえ技術が変わろうとも価値ある技術者であるよう自ら努力し続ける必要があるとしている。
「IT人材白書2010」概要別紙資料