低酸素社会に向けた技術開発の一端として
松江市の
NPO法人しまねバイオエタノール研究会(和泉敏太郎理事長)が7日、飼料用米や食品廃棄物からエタノールを製造する簡易型エタノール製造装置を開発したと発表した。
経済産業省の「低酸素社会に向けた技術発掘・社会システム実証モデル事業」の指定を受け、島根大生物資源科学部や県産業技術センターなど産学官6団体が連携して当ったもので、開発には約5000万円を要したという。
開発した装置では、年に1200リットルのエタノールを製造できるが、実用商業プラントでは1万リットル規模の製造が可能とのこと。
なお国内には、実用規模のバイオエタノール工場が北海道と新潟県に3つあるが、装置費が高いこととエタノール化のエネルギー効率が悪いため、CO2低減効果に疑問が指摘されていた。
新製造方式は安価で効率良く、低炭素化効果大と
この製造方式では、プログラム制御により、液化、糖化、発酵などの作業を手間をかけずにエタノール化が可能となっており、費用も少なくできると言う。
休耕田の多収穫米や食品廃棄物を用いて製造されたエタノールは、自動車・農機の燃料や消毒・殺菌剤などに使用でき、残渣も飼料や肥料として使えるといい、低炭素化効果が期待されている。
今後は、数百万円レベルでの装置の商品化により、年内の販売開始を目指しており、三菱農機の子会社の菱農エンジニアリングが全国販売するという。
NPO法人しまねバイオエタノール研究会の設立