文部科学省が、「平成21年度 大学等における産学連携等実施状況について(機関別実績追加版)」を8月に公表した。
同省では、産学連携等施策の企画・立案に反映させることを目的に、大学等における産学連携等の実施状況調査を毎年行っている。
「受託研究件数」は増えているが、金額では減少に
これによると、民間企業との「共同研究件数」は14,779件で、前年度に比べ195件(1%)の減少に、また「研究費受入額」は約295億円と、過去最高だった前年度に比べて約45億円(13%)減少したという。
「受託研究件数」は6,185件で、前年度に比べて240件(4%)増えているものの、「研究費受入額」は約112億円と前年度に比べて約1億円(1%)減少し、1件当りでの金額でも減少となった。
また大学別でみると、東京大学が民間受入件数1,081件(同金額40億円)とダントツで、大阪大学717件、京都大学674件の順で続いているが、金額では京大の27億円が阪大の23億円を上回ったのが目を引く。
社会課題解決に向けた内容のものが増える傾向に
内容では、厳しい経済情勢下にもかかわらず、ライフサイエンス分野の共同研究件数、中小企業、外国企業との共同研究件数が増え、それぞれ、+252件(5%)、+119件(3%)、+52件(41%)となり、これらを対象とする産学官連携活動が活発になっているという。
さらに、具体的な成果事例では、健康・長寿、環境・エネルギーなど、最近の社会課題の解決に寄与する成果が上がりつつあるとしている。
文部科学省発表内容
http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/1296577.htm