原発関連企業は全国に少なくとも2258社
帝国データバンクは、日本国内の原子力発電事業と直接的に関係のある企業を抽出し、「地域別」「業種別」「規模別」「販売先」などについて分析した。
その結果、原発関連企業は全国で少なくとも2258 社存在することが判明した。
原発関連企業の抽出は、調査報告書ファイル(151 万社収録)および企業概要データベース「COSMOS2」(138 万社収録)をもとに行った。同様の調査は今回が初めてという。
地域別では関東が46.8%
原発関連企業を地域別に見ると、関東が1056 社(構成比46.8%)と最多で、原発関連企業のほぼ半数が関東に所在することがわかった。
これは、東京電力や東芝、日立製作所といった主要企業があり、関係会社や下請け企業が数多く存在することによる。
また、東日本大震災で被災した東北には240社(構成比10.6%)原発関連企業が存在し、約2万5000 人が働いている。原発事故の起きた福島県には120 社(構成比5.3%)が原発関連企業が存在し、約3000人が原発産業に従事しているという。
今後、福島第一・第二原発が廃炉や閉鎖となっていくことが予想され、これらの企業への影響が懸念される。
3社に2社が中小企業
原発関連企業を年商規模別にみると、原発関連企業の3社に2社が年商10億円未満の中・小規模企業であった。
一方で、年商規模が1000億円以上の大規模企業は80社(構成比3.5%)と多く存在する。
この結果から大企業が業界を強く牽引し、原発の立地する地域の中・小規模企業が下支えするといった原発関連の産業構造が窺える。
主要販売先の1割近くが三菱重工業
原発関連企業の主要販売先は、関西電力や九州電力などの採用する加圧水型原子炉(PWR)の製造元である三菱重工業が215社(構成比9.5%)でトップだった。
次いで、東京電力や東北電力の採用している沸騰水型原子炉(BWR)を製造する東芝、日立製作所がそれぞれ150 社(同6.6%)、146 社(同6.5%)だった。主要販売先のトップ3 にはプラント系の企業がランクインした。
帝国データバンクのリリース