2011年は前年比成長率マイナス4.3%
IT専門調査会社IDC Japan株式会社は、国内産業分野別IT市場における2010年下半期の分析と、2011年~2015年の市場規模予測を発表した。
IDC Japanは、2011年の国内IT市場規模について、前年比成長率マイナス4.3%の12兆504億円とマイナス成長となることを予測した。また、2011年は、東日本大震災の影響により全産業においてIT支出がマイナス成長になるという。
製造業ではマイナス幅が大きい
組立製造、プロセス製造といった製造業ではサプライチェーン寸断や電力不足による生産活動の制限から2011年の市場規模のマイナス幅が大きくなるという。
IDC Japanは、組立製造、プロセス製造の2011年の市場規模について前年比成長率マイナス8.3%の1兆2302億円、同マイナス7.6%の6528億円とそれぞれ予測する。
その一方で官公庁は、前年比成長率マイナス1.1%の7168億円と2011年はマイナス成長になるものの、他の産業分野と比較して落ち込みは小さくなるとみている。
東日本大震災を契機とする事業継続/災害対策に関わるITシステムの推進が見込まれるからである。
また、2010年~2015年の年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)を0.3%、2015年のIT市場規模を12兆7497億円と予測した。
2012年は反動プラス成長
2012年は、2011年の落ち込みの反動から全ての産業分野でプラス成長に転じると予測する。
2012年の国内IT市場規模については、前年比成長率3.2%の12兆4371億円と予測する。
特に、情報サービスの2011年における市場規模は、前年比成長率4.5%の7351億円と他の産業分野と比較してプラス成長が大きくなるとみている。
これは、震災を契機として多くの企業からデータセンターに対する需要が拡大し、データセンターの新設/拡充が進むからとしている。
IDC Japanのニュースリリース